スイート・プロポーズ

酒に酔った倉本が、にやけ顔で自慢していた。

花屋で働いているという彼女の写メを見せてもらったが、確かに綺麗な人だった。


「今夜は残業、ですか?」


躊躇いがちに、波奈がデスクを覗き込む。


「そうね。ちょっと残業」

「手伝いますか?」

「大丈夫よ。倉本さん、三分の二は終わらせてくれてるから」


とは言え、自分がすべき本来の仕事もある。

まずは、それを片付けてからだ。


円花は気合いを入れて、パソコンに向かった。





―――・・・・・・。

暗くなったオフィスに響くのは、激しい雨の音。

豪雨と言ってもいい程の強い雨に、円花はため息をつく。

これだけ雨が強いと、傘をさしても濡れてしまう。


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