スイート・プロポーズ
それを思うと、憂鬱だ。
「車かぁ・・・・・・」
日頃、電車通勤なのだが、こういう時は車が欲しくなる。
免許は持っているが、何となく必要性を感じなくて、購入しなかった。
「送ってやろうか?」
「うひゃあっ! あ、部長・・・・・・」
奇声を発してしまい、円花は慌てて口許を押さえる。
パソコンに集中していたせいで、夏目が来ていたことに気づかなかった。
「今夜は特に雨が酷いからな。送ってやろうか?」
そういえば、夏目は愛車で通勤していた。
「いえ、大丈夫です」
遠慮する円花を見て、夏目は微笑む。
「気が変わったら言え」
「え?」
夏目はデスクへ向かい、パソコンを立ち上げる。
「部長も残業ですか?」