スイート・プロポーズ

円花が問うと、夏目は静かに頷いた。


「・・・・・・」

「・・・・・・」


沈黙の中、忙しなく聞こえるタイピングの音も、強い雨に負けて響かない。

夏目は書類に軽く目を通すと、パソコンに視線を戻す、その繰り返し。


円花はそんな夏目を、横目で盗み見る。


(・・・・・・部長も仕事馬鹿、よね)


仕事に関しては、妥協をしたくないらしい。

ワーカホリックではないようだが、手を抜きたくないのだろう。


「・・・・・・ふぅ」


ようやく終わり、円花は肩から力を抜く。


(散乱してるわねぇ)


相変わらず、倉本のデスクは散らかっている。

せっかく終わらせた仕事だが、このデスクに置いては行方不明になりそうで怖い。


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