スイート・プロポーズ

円花の指摘に、美琴は電話の向こうで笑う。


『忘れてたかも。じゃあ、こっちで勝手に決めるわ』

「楽しみにしてる。・・・・・・あのね、誕生日に返事するから」

『告白の返事、よね?』

「そう、ね」


円花は意味もなく、パラパラと本をめくる。


『決めたの?』

「・・・・・・多分」

『そっか。結果だけ聞かせて』


美琴は優しい声で言う。


「うん。・・・・・・じゃあね」


電話を終え、円花は携帯をテーブルに置く。


小さい頃は、誕生日が楽しみだった。

誕生日のケーキにプレゼント。

社会人になってからは、誕生日を忘れてしまうこともあった。


けれど、今年の誕生日はとても複雑な心境だ。


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