スイート・プロポーズ
円花は本を手に取り、雨の音を聞きながら読書に耽った。
―――・・・・・・。
7月7日―――今日で26歳になる。
いつも通りの朝。
いつも通りの出社。
一番乗りで、いつも通りの雑務をこなす。
「おはよう」
「・・・・・・おはようございます」
いつも通りに出社してきた夏目に、円花は小さく頭を下げる。
「部長」
「ん?」
鞄を置く夏目に、円花が声をかける。
「仕事が終わった後に、お時間をいただけますか?」
「・・・・・・わかった」
夏目は詳しく聞くことなく、了承した。
聞かずとも、話の内容に察しはつくだろう。
円花は自分のデスクに着き、小さく息を吐く。