スイート・プロポーズ
夏目が好きか? と聞かれれば、尊敬の気持ちの方が先に出る。
けれど、気持ちが揺らいでいるのも真実で・・・・・・。
(・・・・・・そう、ね。素直が1番、なのよね)
意地っ張りで負けず嫌いな自分。
でも、素直にならなきゃいけない時にはならないと。
「ひとつだけ、我が儘を聞いてください」
「我が儘?」
「社内では秘密、にしてください」
「理由を聞いても?」
円花は視線を泳がせつつ答える。
「恥ずかしいからです」
他人に自分の恋愛を詮索されたくはない。
円花の答えに、夏目がおかしそうに笑う。
「わかった。じゃあ、返事はイエス、でいいのか?」
「・・・・・・はい」
夏目は微笑むと、何故かデスクへと戻る。