スイート・プロポーズ
「・・・・・・うまくいくと、思いますか?」
顔を上げて、夏目を真っ直ぐに見つめる。
恋愛は面倒と避けていた自分には、わからない。
「どうだろうな」
わからないのは、夏目も同じらしい。
ただ、円花と違い、迷いのようなものは見えないように思う。
「自分の気持ちに正直であれば、後悔はしないと思う」
「・・・・・・」
「結果がどうであれ、な」
「・・・・・・」
夏目が、確かな足取りで円花に歩み寄る。
視線を伏せていると、夏目の靴が視界に映り込んだ。
(自分の気持ちに正直・・・・・・)
美琴も、同じようなことを言っていた。
視線を上げると、自分を見下ろす夏目と目が合う。
(私の気持ち・・・・・・)