スイート・プロポーズ
(あれ? 携帯がない)
1時間程して、円花は自分の携帯がバッグにも服のポケットにも入っていないことに気づく。
(会社だよね? ・・・・・・仕方ない、取りに行くか)
円花は席を立ち、ちょうどトイレから帰ってきた倉本を手招きする。
「すみません。携帯を会社に忘れてきたみたいなので、今日はこれで失礼します」
「うわ〜、間抜けだなぁ」
「ですね。あんまり飲み過ぎないよう、気をつけてくださいね」
倉本に別れを告げ、円花は会社へ戻ることにした。
―――・・・・・・。
夜の帳に包まれた誰もいないオフィスは、かなり不気味だ。
朝の無人のオフィスとは、別物に見える。
「携帯は・・・・・・あった」
デスクの奥、パソコンの裏に隠れていた。