スイート・プロポーズ
「葵 由貴? 聞いたことない名前―――!!」
一瞬で、円花は本を閉じた。
(こ、これって所謂・・・・・・か、官能小説、ってものなんじゃ・・・・・・)
タイトルも装丁も、円花がイメージする官能小説とは違っていたので、油断した。
(ぶ、部長って、こういうのを読んでるの?)
恐る恐る、ページを開いてみる。
二十歳前の乙女じゃあるまいし、官能小説くらい―――。
「・・・・・・」
いや、うん。
官能小説なんだから、そういう描写があるのは知ってる、わかってた。
けど、文字で見ると異様に生々しいというか・・・・・・。
ゆっくりと本を閉じ、棚へ戻す。