スイート・プロポーズ
円花が苦笑すると、夏目は目を細めて笑う。
「皿洗いは、私がします」
「……お願いしようかな」
やっぱり、何もしないでいるのは嫌だから。
円花は内心ホッとしながら、炒飯を食べ進めた。
窓の外が、赤く染まり出した。
本から視線を上げ、時計を探す。
(もう18時過ぎ……気づかなかった)
恋人の部屋に来ているのに、お互い読書に夢中になって会話もほとんど無かった。
これで良いのかとも思うが、無理して話題を探すよりも余程、居心地が良い。
「……」
チラリと目の前のソファーに座る夏目を見てみる。
彼も彼で、本に夢中らしい。
こっちをちっとも見ない。
(……絵になる)
黒いソファー、サマーニットを着てハードカバーの本を読む夏目。