スイート・プロポーズ

野菜も入っているので、彩りも良い。

香ばしい匂いに、食欲を掻き立てられる。


試しに一口――。


「ん! 美味しいです」

「そうか……安心した」


ホッとしたように、夏目が肩から力を抜く。


「そんなに緊張しなくても……。コレ、本当に美味しいです。自炊、するんですね」

「できる範囲で、だけどな。けど、料理はやっぱり苦手だ」

「そうなんですか?」


調理する過程は見ていないが、キッチンから聞こえてくる音は迷いのないハッキリした音だった。

なんでも出来そう、のイメージ通りだと思っていたが、実は違うらしい。


「レパートリーは少ない。コレと、カレー、シチューやハヤシライス、あとは――」

「確かに、少ないですね……」


カレーとシチューなんて、最後に入れるルーが違うだけで、材料も調理行程もほぼ一緒だ。

< 195 / 294 >

この作品をシェア

pagetop