スイート・プロポーズ
口に出して認めてしまうと、尚更情けなくなってきた。
「気にする必要はない。むしろ、寝顔を見れて得した気分だ」
笑いながら、夏目は動かない円花の手を引く。
「み、見たんですか?」
「そりゃあ、見るだろ?」
当然だ、みたいに言われても困る。
椅子に座らせられた円花は、顔を隠したくなった。
「大丈夫。可愛い寝顔だった」
「……そうですか」
盛大なため息をつき、円花は気持ちを切り替えることにした。
ここまで失敗を犯してしまったのだ。
これ以上の失敗は、余程のことがない限り起こらないはず。
そう思うことにした。
「夕食も、部長に作ってもらいましたね」
予定では、自分が作るつもりでいた。