スイート・プロポーズ
料理が得意です!
と、豪語出来るほどの腕前ではないが、人並みには出来ると思う。
「次は絶対に、私が作ります」
そう言うと、夏目が嬉しそうに笑う。
「?」
「いや、次があるんだな、と思って」
「あ、ありますよ……」
そんな風に返されると、恥ずかしくなってくるじゃない。
円花は、誤魔化すようにカレーを口に運ぶ。
「ん!」
「どうした?」
「か、辛いっ」
コップの水を飲み干し、口を手で扇ぐ。
ヒリヒリする辛さに、二口目は勇気がいる。
「悪い。いつもの癖で辛口で作ったから」
空になったコップに、夏目が新しい水を注いでくれた。
「……だ、大丈夫です」