スイート・プロポーズ
「円花、結婚してほしい」

「………………」

 予想外だ。プロポーズ?
 それならそうと、先に言っておいてもらわなきゃ困る。
 だってーー。

「私、今汗かいてるし、メークは手抜きだし、服だってーー」

「どんな君も、愛してるよ」

 そう、夏目は知っている。負けず嫌いで、人前では意地でも泣きたくない、円花のすべてを、知っているのだ。汗だくでも、メークが崩れても、寝起きのパジャマ姿でも、構わずプロポーズしただろう。
 この愛は冷めない。
 そんな確信がある。

「円花、結婚してくれるか?」

「…………はいっ」

 指輪を受け取るよりも早く、円花は夏目に抱きついた。危うく倒れそうになったが、夏目はなんとか耐えた。男の意地ってやつだ。
 夏目は円花の温もりと重さに、幸せそうな笑みを浮かべていた。



「はぁ。やっと収まるとこに収まった、って感じね」

 ふたりの一部始終を、美琴達はバッチリと見ていた。隣では、カメラマンがものすごい勢いでシャッターをきっている。

「いいなぁ、私も部長にプロポーズされたい〜」

「新嶋さん、ここは素直に祝福しましょうよ」

 悔しそうな、けれども羨ましそうな視線を向ける梨乃に、波奈は困ったように笑う。

「……いいな、プロポーズって」

 美琴の隣に立つ薫が、ふたりを見つめながら微笑む。

「へぇ、相手がいるんだ。良かったわね」

「み、美琴……顔が怖いよ」

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