スイート・プロポーズ
「生憎と、この顔は生まれつきよ。ほら、見世物じゃないのよ。散った散った」
梨乃や波奈を追い返し、美琴は教会の中、幸せそうな円花を見て微笑む。実のところ、美琴は知っていた。今日、夏目が帰国することを。
どういう経緯か知らないが、夏目は自分に電話をかけてきたのだ。
そして、円花の指のサイズを聞いてきた。余程の鈍感でなければ、気づくはずだ。夏目がプロポーズする、と。
「良かったわね、円花」
微笑んで、美琴は教会から離れる。邪魔するほど、自分は野暮じゃない。
それに、あんなにも嬉しそうな円花を見てしまったら、誰も邪魔する気になんてならないだろう。
「この日のために、仕事を頑張ったんだ。七夕の、織姫と彦星にはなりたくないからな」
それは以前、円花が言った話のことだろう。きちんと仕事をしていれば、織姫と彦星は一緒にいられたかもしれない。
そんな話を、確かに夏目にした。
まさか、そんな何気ない話を覚えているなんて……。
円花は嬉しくて、泣いてしまいそうだ。
「……おかえりなさい」
「ただいま」
夏目の腕の中、円花は言葉では言い表せない幸福を感じていた。
この幸せに、上限はない。幸せの器に底はない。
いつまでもいつまでも、この器は幸せで満ちていく。貴方とふたり、いつまでもーー。
〜Fin〜
梨乃や波奈を追い返し、美琴は教会の中、幸せそうな円花を見て微笑む。実のところ、美琴は知っていた。今日、夏目が帰国することを。
どういう経緯か知らないが、夏目は自分に電話をかけてきたのだ。
そして、円花の指のサイズを聞いてきた。余程の鈍感でなければ、気づくはずだ。夏目がプロポーズする、と。
「良かったわね、円花」
微笑んで、美琴は教会から離れる。邪魔するほど、自分は野暮じゃない。
それに、あんなにも嬉しそうな円花を見てしまったら、誰も邪魔する気になんてならないだろう。
「この日のために、仕事を頑張ったんだ。七夕の、織姫と彦星にはなりたくないからな」
それは以前、円花が言った話のことだろう。きちんと仕事をしていれば、織姫と彦星は一緒にいられたかもしれない。
そんな話を、確かに夏目にした。
まさか、そんな何気ない話を覚えているなんて……。
円花は嬉しくて、泣いてしまいそうだ。
「……おかえりなさい」
「ただいま」
夏目の腕の中、円花は言葉では言い表せない幸福を感じていた。
この幸せに、上限はない。幸せの器に底はない。
いつまでもいつまでも、この器は幸せで満ちていく。貴方とふたり、いつまでもーー。
〜Fin〜

