スイート・プロポーズ
あのアドバイスも、もしかしたら単純に自分が楽しみたいだけだったのかもしれない。
それを思うと、ちょっとだけいじめてやりたくなる。
「痛っ。なんで蹴るのよ」
「面白がった罰よ」
ふたりは笑っていたが、不意に美琴が真剣な顔になる。
「私、高校を卒業する一ヶ月くらい前に、つき合ってた奴がいるのよ」
寝転がり、美琴は静かに語りだす。
「そいつ、卒業と同時に留学したの。何も言わず」
「そうなの?」
「うん。連絡先も知らなかったし、結局・・・・・・自然消滅」
天井を見上げ、美琴はどこか遠い目をしている。
当時を思い出しているのかもしれない。
「もし会ったら、絶対殴ってやる、って決めてたの。私、傷ついたのよ? 留学のこと聞かされてなくて」