スイート・プロポーズ

「散らかさないでよ」


細かく破られ、名刺だったものは、美琴によってごみ箱へと投げ捨てられた。


「いいの? 後ろにアドレスとか書いてたけど」

「昔の私だったら、連絡するかもね。けど、今の私はあいつのこと大ッ嫌いなの」


つき合っていた期間は、一ヶ月と短い。

けど、嫌いな相手とつき合う程、美琴は今も昔も酔狂ではない。

何も言わず留学したかつての恋人に抱くのは、懐かしさなどではなく、恨みにも似た気持ち。


「もったいない。雑誌で見たけど、かっこよかったよ?」

「そうね。女共が群がってた」


吐き捨てるように言う美琴に、円花は苦笑する。


「逃した魚は大きかった、ってやつ?」

「ふんっ」


そっぽを向いて、美琴は頬杖をつく。


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