スイート・プロポーズ

「ま、小宮泣かなかったけどな」

「・・・・・・」


トイレで、ひとり泣いた。

人前では泣きたくなくて、定時を過ぎても、ずっとトイレの個室にこもって、泣いていた。


(私、よく部長を嫌いにならなかったわよね)


夏目の怒りは正当なもので、嫌いになるのは八つ当たりにも近い。

それでも、嫌いになってもおかしくない程、凄まじい怒鳴り方だった。


「けど、部長もピリピリしてた時期だったからな」

「そうですね・・・・・・」


その頃、夏目は部長になるかもしれない、と多方面からプレッシャーのようなものをかけられていたらしい。

それが重圧になったのか、どこか神経質に見えていた。


「部長、結婚しないのかな?」

「ぶっ・・・・・・!」


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