ヴァンパイアと同居中!! ~赤に恋して~
だから月模は、お父さんとお母さんが帰って来る前に帰らなきゃいけない……分かっているのに、止めたがる自分がいる。


“もっと一緒にいよう”って泣き喚いていられるなら、そうしたい位だ。


だけどそんな子供みたいな事出来るハズも無く、2人で玄関まで歩く。


お互いに無言のまま玄関を出て、家の前の歩道で向かい合った。


「……じゃあな、葵」


先に口を開いたのは、穏やかに清々しい笑顔を浮かべている月模。


夏の暑さを抑えてくれる最近じゃ珍しい涼しい風が、月模の黒髪をサワサワと揺らしていた。


何笑ってんのよ………
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