小さな光 ~月と太陽~
「お風呂どうぞ」



リビングにいた藤は…

ちょっと機嫌が悪いみたい。


藤とは対象に夏川さんはニコニコ笑顔。


「アズ、こっちおいで」


自分の隣をポンポンっと叩いてあたしを呼んでくれた。機嫌が悪そうだけど声はいつものように優しい。


「ジュースあったから持ってきてやる」


あたしが座ったのを確認すると藤が居なくなってしまった。

あたしの向かい側で一生懸命笑いを堪えている夏川さん。


藤の姿が見えなくなった途端、夏川さんが話し出した。



「はぁー藤のあんな顔、初めて見たわ。
おもしれぇー」


あんな顔とはどんな顔なのだろうか?

あたしがいつも見ている顔と同じだったような…


「アズちゃん俺がいい事教えてあげる」


そう言ってあたしの隣に来て耳元で夏川さんがささやいた。


「藤のも…」


ここまで聞いたら『お前は何をやっているんだ!』と藤の声が聞こえてきた。










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