小さな光 ~月と太陽~
「どうして、こんな所にいるの?」


「どうしてって…買い物してきたものはそのままキッチンに置いてあって、部屋に居るかと思ったら居ないし…

何時間経っても帰ってこないから心配して迎えにきた」


あたしは気付かない内に何時間も家を開けていたんだ。


「藤は何時ぐらいに帰ってきたの?」


「5時。


珍しく早いだろ」


得意げに笑って見せた顔にあたしはドキッとした。


「アズが寂しがっていると思って折角早く帰ってきたらアズが居なかったんだから…」


あたしの為に早く帰ってきてくれたんの?


あたし、

寂しかったよ。

寂しくて、寂しくてどうしようもない。


あたしは藤と一緒じゃなきゃ嫌なんだよ。


「ところで…アズはここで何をやっていたんだ?」


あたしは正直に「サッカー」って答えた。


嘘はついていないしね…









< 135 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop