小さな光 ~月と太陽~
玄関から出ていく時、藤は何かを思い出したように言った。



「あっアズ、俺今日はいつもより遅くなるから」


「了解!
仕事?大変だね。
あっご飯はどうする?作っておく?」


「急な会議が入ったんだ。
だけど飯は頼んだ!
たぶんそんなには遅くはならないと思うけど…もし遅かったら先に寝ていいから」


「はーい」



藤、あたしは知っているんだよ。

今日は朱音さんと藤が会う日だよね。



………隠さなくたっていいのに。



あたしは2人が会う事を知らない振りをして見送った。




誰も居なくなった家。


あたしは自分の部屋に行った。


…………この部屋って、こんなに広かった?



テーブルの回りに広がっている藤の荷物。


机の上のあたしの宿題。


藤でイッパイの部屋。


けど1人では広すぎる。


いつからこんな事を思うようになったのかな?


藤と2人だと少し狭い部屋。


けどあたしはその狭い部屋に居るのが好きだった。












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