小さな光 ~月と太陽~
「藤を初めて見た時、ロビーで泣いている子供がいてその子に向けている藤の笑顔が好きだった。

私はあの笑顔を私に向けて欲しくて藤の事を色々調べ、何回も『付き合って欲しい』って言って…

やっと付き合ってくれるようになっても…


藤は私には1回もその笑顔を私に向ける事は無かった。

藤が私に気が無い事は最初から分かっていた。
けど別れ話をした時2年も付き合っていたから少しは後を追ってくれると思ったけど…追ってはくれなかった。

そして今…藤は私が欲しかったあの顔を梓ちゃんに向けていたんですもの…


梓ちゃんが羨ましい」



ポツリ、ポツリ…

朱音さんは話始めた。


朱音さんは藤が本当に好きだったんだ。

好きだった藤に気がないって分かっていても付き合っていたんだ。



「朱音さんには本当に悪い事をしたと思っています」


「悪いと思っているなら…『お願い』聞いてくれる?」



『お願い』って何?

もしかしてあたしが関係あるの?



「俺が聞ける範囲なら…」そう言って朱音さんをしっかり見た藤。









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