小さな光 ~月と太陽~
「お前、明日から夏休み?」



「そうですけど…」



「明日…午前中仕事でいないから」



ふぅーん…


こんな人でもやっぱり一応仕事しているんだ。



「メシは夕ご飯だけでいいから…」



「わかりました」



「もしかしてさみし…」



「寂しくないです」



誰があんたみたいな口悪男がいないだけで寂しくなるもんですか。


こっちはいなくてせいせいする。



「可愛く

『寂しい』って言えよ」



「寂しくないのに寂しいだなんて言えません」



如月さんはあたしに何を言わせようとしているんだ?


あたしは正直答えているのに…


早くご飯食べて部屋行こう…


こいつ一緒の空気なんか吸いたくない。


あたし達は無言で冷やし中華を食べた。


けど最初に食べ終わったのは―――





如月さんだった。




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