小さな光 ~月と太陽~
「アズ…」


後ろから声が聞こえた。


この声は…

藤だっ!



「また長期休みになったら遊びに行こうな」


藤はあたしの頭をゆっくり撫でてくれた。


「アズ?」


あたしは藤の胸に顔を埋めた。

そして静かに涙を流した。


あたしが泣いている間、藤は何も言わずにずっと頭を撫でていてくれた。



「ふじー、あたしね、お母さんたちが遠くに行っても平気だよ。
寂しくなんか、ないからね。

藤がいるから、寂しくないよ」


「そっか…

また長期休みになったら連れていってやるよ」


「約束だよ?」


「あぁ、約束する」



『約束する』って…

簡単に休みとれないくせにっ。


それでも、
あたしを1番に考えてくれている事が嬉しい。



「そろそろ行くか?」


「うん」


「この後、ちょっとついて来てもらいたんだけど…

いい?」


「いいよ」








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