彼女志願!2nd
驚いた。
来るなんて一言も言ってなかったのに!
慌てて鍵を開け、彼を招き入れる。
「どうしたんですか、穂積さん、来るなんて一言も――ひゃっ……!」
突然。本当に突然、彼に玄関で抱きすくめられた。
彼の着ているスーツからは、かすかに煙草の香りがする。
「穂積さん……?」
どうしたんだろう……
ドキドキしながら顔を上げると
「萌……」
穂積さんが、優しく私の名前を呼んでくれた。
好きな人に名前を呼ばれるって、最高の愛撫だと思うのは私だけだろうか。
モゾモゾと身じろぎして、穂積さんの背中に腕を回す。
「ちょうど今からごはん食べるところなんです。穂積さんは?」