彼女志願!2nd
「空腹で倒れそうなんですよ。食べさせてくれますか?」
「はい、じゃあ用意を――」
「いや、もう出来てるでしょう?」
穂積さんは私の肩を両手でつかみ、少し距離を取る。
「ん?」
なんだか話がかみ合わない。
「今からパスタを茹でて……」
「違う、そうじゃない」
彼は優しく首を振った後。ゆっくりと頬を傾けて、私の唇にそっと口づけを落とした。
「違う……? お、おなか、空いてないんですか?」
「空いてますよ。誰かさんが僕を煽るので、あれからずっとひどい飢餓感に襲われていますよ」
誰かさんが穂積さんを煽る……
ぽかんとする私を見て、彼は盛大にため息をついた。
「本当に……あなたって人は」