彼女志願!2nd

そうやって数時間、作業に没頭していると――

テーブルの上に置いていた携帯が、ぷるぷると震え始めた。


着信を見ると、なんと相瀬先生の仕事場から。
(先日いきなりかかってきたのを登録していた)



「はい、鴻上です!」

『やあ、萌ちゃん』

「あ、相瀬先生っ……」



いきなりの本名&下の名前呼びにドキッとする私。

ああ、そうだ。
そういえばこないだ出版社内で『俺も萌ちゃんって呼ぼう』なんて言われてたんだっけ。



『――マルから連絡貰ったよ。受けてくれてありがとう』

「いえ、とんでもないです! 私こそ指名してくださってありがとうございます。一生懸命頑張りますので――」

『で、萌ちゃん、今からウチ来れない?』

「うち?」

『急で悪いけど、マルも呼ぶからさ。アシスタントが来たら一週間くらいは打ち合わせどころじゃなくなるんだ』

「ああ、はい、わかりました。すぐにお伺いします」



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