彼女志願!2nd
不穏な空気を感じて、手が止まる。
一方穂積さんは、私の代わりにてきぱきと手を動かし、お茶を淹れリビングへと運び、困惑する私を横抱きにして膝の上に乗せた。
穂積さん、あったかいな。
こうやってくっつくと、私と穂積さんが別々の人間だっていうのが不思議になってくるくらい、ぴったり凹凸がはまるような気がするんだ……。
そうやって、ほんの少しの間、穂積さんは無言で私の肩を撫で続け、ゆっくりと口を開く。
「うまく回ってない気が、するんですよ」
「まわってないって……編集部がですか?」
「それはまだ……」
穂積さんは、ゆっくりと首をふってそれを否定する。