彼女志願!2nd
「萌をやみくもに不安にさせるつもりはないんです。ただ、僕もその違和感の正体がつかめなくて……」
穂積さんが感じている違和感というのは……いったいなんだろう。
「穂積さん……」
顔を上げると同時に、穂積さんはそっと私のまぶたの上に口づけを落とす。
「でも大丈夫ですよ。なにがあっても僕は凛先生の担当で、味方なんですから」
「――はい」
そうだよね。
穂積さんがこうやってそばにいて、励ましてくれる。
そして私の本を手に取ってくれる読者がいる。
だったら怖いことなんて何もない。
私はただ物語を紡ぐだけだ。
――――……
※注意
これから先は、先日発売になりました文庫版「彼女志願!」の書き下ろし番外編を踏まえた環境になりますのでご了承ください。