彼女志願!2nd
寝てる顔なんて、無防備だもん。
元が端正な穂積さんと違って、私の寝顔なんて想像するだけでブルーになっちゃうよ。
(私、たぬき顔だし!)
「僕が可愛いと言えば、可愛いんですよ」
「……そんなことばかり言われてたら、私、ダメっ子になっちゃう」
「なったらいいじゃないですか。僕なしで生きてはいけなくなるようになればいい」
「もうっ……」
穂積さんのこういう無差別攻撃には本当に参る、と思いながら、私はそのまま彼の背中に腕を回し目を閉じた。
「今日は一日オフですよ」
「え、本当?」
ここ最近、泊まり込みもあった穂積さんの言葉に、思わず顔を上げる。
専業作家だとどうも曜日の感覚がなくなってしまうんだけど、言われてカレンダーを見れば今日は日曜日だった。