彼女志願!2nd
だって、この手が大好きな『お狐陰陽師!』を生み出しているかと思うと、もう、鼻血が出そうというかなんというか、とにかく嬉しくて!
完全にただのミーハーなファンになってしまって冷静さを失っていた。
それまで完全に固まっていたのに、ぺらぺらと口が回り始める。
「あ、ありがとうございますっ、私、連載が始まった初回にファンレターを出しまして、それで先生から、お手紙と一緒に銀子を描いたカラー色紙を送っていただいて、家宝にしてますっ!」
「え、本当に? あー……それ覚えてるよ。あんな熱烈なファンレターくれたの君一人だったから」
「ええ!? 覚えてる!? 先生の記憶に中学生の私がいるってことですか!?」
「記憶にって……」
相瀬先生がクスリと笑う。
「――ちなみにその色紙まだ持ってるの?」
「はい、もちろん持ってます、額に入れて飾ってますから! 先生、銀子を描いてくださったんです! 私本当に嬉しくて! 宝物です!」