彼女志願!2nd

それから二日、穂積さんは帰ってこなかった。

もちろん、帰れないって連絡はくれたんだけど――


もうっ、いったいどんだけ忙しいんだよー!!!
穂積さんが足りない、足りない、足りないよ!!!!


キーッとなりながら、一人フローリングの床を転がりまくる私。


時計を見ると午後三時。
今日は帰ってこれるんだろうか。

連絡がない時点で、帰ってこれなさそうな気はするんだけど……。


そりゃね、穂積さんがどれくらい忙しいかなんて、百も承知ですよ。
校了直前っていうのもあるし、なんだかほかにも仕事抱えてそうな雰囲気だし……。


だからできるだけ、彼の負担にならないように、仕事以外のことで困らせたりしないようにって、気を付けてますよ。

でも、自分の仕事に身が入らない今は妙に焦ってしまうわけで……。


やっぱり、こないだのデートが不完全燃焼だったのが効いてるのかも、なんて。
穂積さんをちょっぴり恨めしく思う始末。




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