彼女志願!2nd
変名。要するに鴻上凛ではなくて、別の名前で発表するってことね。
『お狐陰陽師!』の読者層は十代、二十代の若い男女だから、ちょっとエッチな小説を書いている鴻上凛名義ではちょっとまずいってわけ。
「――本当に問題ない?」
と、相瀬先生。少し心配そうだ。
「はい。問題ないです」
私が普段書いている翡翠社でも、少女向けを書きながら、別名義でBL(ボーイズラブ)や官能小説、はてはゲームのシナリオも書いている作家はけっこういる。
そして使い分けを自ら発表している作家もいるし、完全に秘密にしている人もいる。
人それぞれだ。
なにしろ大ヒットシリーズを出した先生だって、その作品が完結してしまうと、その後発表した作品がぱっとしなかったりというのはよくあることで
だから編集部は、ヒット作を出した作家には、シリーズ刊行中に新シリーズを書かせて、読者を取り込もうとするんだ。