彼女志願!2nd
「当たり前でしょ。読まずにどうやって依頼したと思ってるわけ?」
ちょっぴり呆れたように笑う相瀬先生。
そりゃそうだ。作品に強いこだわりをお持ちの相瀬先生が、私の作品を読まずに、ノベライズ担当者に決めるはずがない。
そして先生は、じいっと私を、穴が開くんじゃないかっていうくらい見つめて――
無精ひげの残る顎のラインを撫でながら言葉を続けた。
「ノベライズの話をマルが持ってきたとき、どうせなら少女小説家に頼みたいと思ったんだ。少し熱っぽく、でもどこか突き放した、狭い世界を書ける人がよかった」
「それで私の本を……」
「そう。読んだよ、君以外にも、そうだね……書店の平積みで置いてある本をあるだけ買わせて……結局100冊くらい」
「ひゃっ、百冊!?」
たまげた。先生めっちゃお忙しいのに、そんなに読んだの?