陽だまりに猫
『はい、熱いから気を付けて』
「ありがとう」
差し出されたマグカップを受け取って
莉央の手元も見る。
『ん?』
莉央の手には私と同じ柄で色だけが違う、
お揃いのマグカップが握られていた。
「莉央は、珈琲?」
『うん。俺甘いのは苦手だから』
知ってるでしょ?と続けられた言葉に
嗚呼、そっか。と今更ながら思い出す。
莉央は一口飲むと微笑んで、ゆっくりと
隣に腰を下ろした。
少し沈んだソファーを感じながら、ふいに
マグカップの中でゆらゆらと揺れている
琥珀色を見つめる。
「…なんだか、珈琲の色と莉央の髪の色
って似てるね」
『そう?』
と、琥珀色の髪を揺らしながらクスクス
と笑う莉央はどこか嬉しそうだった。