陽だまりに猫




『あー、もう、降参!』


顔の横で両手をひらひらと振った莉央。


「ふふ、莉央は一生、私に勝てないよ」


ジト、と私を見る双眼に勝ち気な笑みを
浮かべる。が。


「っ、……!」


目の前で揺れた琥珀色に目を奪われた瞬間
唇に触れるだけのキスをされた。


『悠は一生、俺に勝てないよ』


一言一句違わず仕返しと言うように
同じ言葉を引用してきたこの男。


本当に


「性格が悪い」

『ありがとう』


この男には、悪口というものは効かない。





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