ガラスの靴をもう一度
ただ、そのやり取りは、さすが元恋人同士だけあって、どこか違う。
麻生さんが入社した日には、心配しているメールを送っているし、麻生さんの方は、心細さから早く雅貴に会いたがっていた。
「よく分かったわ」
メールを閉じ電源を切る。
そしてパソコンを閉じると、再びベッドへ戻ったのだった。
麻生さんは、間違いなく雅貴に未練がある。
そして雅貴も、まんざらじゃない。
それが事実…。
やっぱりあの空白の6年間に、雅貴は麻生さんを好きだった。
私の知らない過去があったんだ…。