ガラスの靴をもう一度
何で、ここに雅貴と麻生さんが!?
絶句する雅貴とは反対に、麻生さんは満面の笑みで私たちの元へ歩いてきた。
「どうしたの?川上くんと花井さん。もしかして、デート?」
ええ~!?
麻生さん、私と雅貴の仲を知っていて、そんな事を聞く?
と、心の中で叫んでふと気付いた。
そうよ。
麻生さんは、私たちの仲を知っている。
その麻生さんに、私は今どう映ってる?
雅貴の彼女なのに、川上くんと手を繋いでいる姿が…。
麻生さんだって、雅貴が好きなんだもん。
私に対して、腹を立てても納得できる。
だから、わざとなんだわ。
“デート?”って聞いたのは…。