ガラスの靴をもう一度
「母校なの?」
知らなかった…。
ここって、全国でも有名な私立大学じゃない。
駐車場の目の前には、四階建ての白い校舎が出迎えている。
さすが、川上くんて頭がいい人なんだ。
こんな大学に通っていたなんて凄い。
「23時で門が閉まるんだ。それまでは大丈夫だから。こっちに来て」
そう言われて連れられた場所は、大学の奥の開けた場所だった。
ここへ来るまでの間も、3棟の校舎を抜けてきたくらい広い敷地。
小規模な文系女子大出身の私から見れば、それだけで新鮮だわ。
「ここは、昼間は芝生で昼飯食べてる学生がいるんだけど、夜はけっこうロマンチックだろ?」
「うん。夜景が見えるんだ」
ここから眺めると、大学が高い土地に建っているのが分かる。
光り輝く郊外の町並みが、一望出来るから。