ガラスの靴をもう一度


ホテル…。

それは、二人が深い関係を持ったって事。

ずっと、この事を忘れていたわけじゃない。

隠し事ばかりに、こだわっていたわけじゃない。

だけど、どうしても認めたくなかった。

私の思い込みって、そう言い聞かせていたのに…。

やっぱり、本当だったんだ。

「雅貴と麻生さんは、すぐに付き合ったんですか?」

呆然としながら、もう聞く事はないだろう二人の話を聞こうと思った。

「いいえ。出会ったのは、雅貴がアメリカへ来てすぐだったけれどね。彼が大学の一年生で、私が高校一年生だった」

「どうやって出会ったんですか?」

「友達の紹介よ。日本人の友達が出来たから、会わないかって。単純なきっかけ」

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