ガラスの靴をもう一度
マンションへ着き、部屋へ入っても雅にぃは黙ったまま。
迎えに来てくれた時は、あんなに嬉しそうだったのに。
迷惑なの…?
「ねえ、雅にぃ。私、20歳になったよ?」
リビングへ向かう雅にぃの後ろを、ついて歩いていたけれど、私は途中で止まった。
そこが、ベッドルームの前だと知っているから。
「萌…」
ゆっくり振り向いた雅にぃの表情は堅い。
「雅にぃ、約束したじゃない!私が20歳になったらって…」
恥ずかしさともどかしさで、声を荒げる自分がいる。