Kiss Kiss Kiss
さっそく朝陽さんはコーヒーを口にした。
何だか自分が想いをこめて入れたコーヒーを
朝陽さんが飲んでいるって
すごくくすぐったかった。

「美味しい?」

思わず聞いてしまった。

「美味しいよ。」穏やかな声

「私 こんな風に入れるの初めてだったから
いつもインスタントしか飲んだことなくて。
さっき 初めてです。インスタント以外飲んだの。」

「どうだった?」

「よく料理番組で言ってる
まろやかっていう言葉の意味がわかりました。」


「あははは~~」

いきなり朝陽さんが笑い始めた。
朝陽さん本気で笑う時 顔がくしゃくしゃになる。

可愛い・・・・・

「ごめん ごめん~~
夕日ちゃん 楽しい子だね。」

「そうですか?
でも 朝陽さんへの ご恩は忘れません。
これから家政婦として このご恩返し
させてもらいます。」

「そんなご恩なんて
働いてもらうんだし うちはさっきの息子もいるし
大変だよ。かえって申し訳ないよ。
あんまり辛い時は言いなさい。
たまにはガッツリ怒ってやるから。」

「いえいえ
ああいうお子ちゃまは慣れてます。
田舎にも一杯いました。」

「たのもしいな~あははは~」

朝陽さんの笑顔が自分だけに向けられたのが
すごく感動的だった。
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