初恋
「いやぁ、やっぱり人気ですなぁ」
「結構時間かかるかもしれないよ?
それでも並ぶの?」
「あたりまえだよー!
待つっていったってさ、10分もないでしょ?
さっきチラってみたけど、出来上がってるものあったみたいだし。」
諦める感じはまったくなし。
あたしは亜衣に気づかれないように、ため息をつく。
前にいることたちを見ると思う。
きっとお兄ちゃんだけじゃなくて、
悼矢さんもいるんだって。
少しずつ、
少しずつ列が身近くなってくに連れて、
緊張してしまう。
亜衣と繋いでいる手に少し力が入る。
もし、声をかけられたらどうしよう。
普段通り・・・
ううん、好きだと気付く前のように普通に話ができるのかな。
好きだと悟られないようにできるのかな?
変な風に思われないようにできるのかな?
「いらっしゃ・・・あ!!沙奈っ」
そんなことを考えているうちに、
あたし達はお兄ちゃん達の目の前にいた。
お兄ちゃんの隣には、お好み焼きを焼いている悼矢さんの姿があった。