初恋
「俺に会いに来てくれたの!?
こんな行列に並んでまで!?
やべぇ!めっさ嬉しいんだけど!!
な、悼矢もそう思うよな!?
しかもそのコスちょー可愛い!!
マジ可愛いっ」
「あー、はいはい。
分ったから手を動かそうな。
―沙奈ちゃんは買いに来てくれたんだろ?」
悼矢さんはあたしにそう声をかける。
声を聞くと。
笑顔を見ると。
「沙奈ちゃん?」
「沙奈?」
諦めきれない―・・・
苦しくて出たわけじゃない。
悲しくて出たわけじゃない。
自分で諦めると決意したのに、
それができない自分の弱さに涙が不意に出てきてしまった。
「ごめんなさっ・・・たし・・・」
弱いから、逃げたくなる。
弱いから、悼矢さんの顔が見れない。
どんな顔をしてあたしを見ているのか。
嫌な顔をしているんじゃないかって、
呆れてる顔をしているんじゃないかって。
あたしは亜衣と握っていた手を離して、その場を後にする。
「おい、沙奈!」
「ちょっと待ってよ・・・あ、沙奈ってば!!」