初恋
***
北見くんが向かったところは、
誰も出入りしていない旧校舎。
サッカー部の中でも足が速い北見くんのペースに
あたしは息を荒くする。
「き、たみくん・・・ちょっ、と・・・」
「あ!?
―あー、悪い。
つい自分のペースで・・・でもまぁ、ここまで来りゃいいだろ」
北見くんは空き教室の中に入って一息つく。
あたしは、荒れた息を整えながら、
近くにあった椅子に腰をかけた。
2人の間には長い沈黙。
話を切り出そうと、
あたしが北見くんにお礼を言おうと声をかけようとしたとき、
「話したくなきゃいいんだけどさ・・・
何か、あったから泣いてたんだよな?」
頬を掻きながら、申し訳なさそうに話をし始める。