流れる星を見つけたら
隣に座っていいですか?なんて聞く前に座ろうぜ



その後

店を閉めて
2人で並んでビルを出る。

帰りがけに一階にある例のパンケーキ屋さんをチラ見すると、シェフと凜子さんが楽しそうに小さなテーブルを挟み、美味しそうなパンケーキを食べていた。

見かけは本気で美味しそうなんだけど
実に残念な味。

「お腹空いた?僕たちも入って食べる?」
彼に言われて首を大きく横に振る。

「ここ、すんごく美味しくないんだよ」
必死な顔で教えると

「へぇ面白いね。今度一緒に入ろう」
嬉しそう。
屈折してるな。シェフに似てる。

テーブルを挟む2人は綺麗でお似合い。
そんな事を言ったらマー君に怒られるか。

「行こう」
さりげなく肩をつかまれ「うん」って返事。

「何か食べようか」

「おススメある?」

「田村さんの店が一番美味しいんだけど、今日は定休日だし」

「田村さんって誰?」

「さっきのシェフ」
呆れた顔をされた。

もう

みんな情報早い
てか
私が遅いのか。

「仲間外れにしないで」
知らない事ばかりだよ

「ごめん」
彼は笑って私の頭をくしゃって撫でる。

最初にキスして
その後
変態に襲われそうになって助けてくれた後、その胸に抱かれたのに

今は頭を撫でられただけで
ドキドキしてしまう私。
< 86 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop