モノクロ
 

「っていうか、マジ驚いたよなー。まさかアキと仕事のメールのやり取りしてたなんてさ。今考えるとかしこまりすぎて、超笑えるんだけど」

「その台詞、そのまま返すよ。ほんっと驚きすぎて心臓に悪い……」


2時間ほど仕事の話をして、ようやく私の中で“ショウ=aKiRa”という方程式が成り立ってきたけど、やっぱり夢でも見てるんじゃないかと思ってしまう。

信じられない気持ちはあるけど、この心臓のドキドキは現実のものだろう。


「アキがaKiRa好きとか初耳だったんだけど」

「あれ、言ってなかった? ランランとかサッピーとかは知ってると思うけど……そっか。ショウとはそういう話はしたことなかったっけ」


ショウとはコミケイベント会場で会えば話すけど、気付けば他の人に引っ張られて何処かに行ってるから、ゆっくりと話す機会は持ったことがない。

人気者はどこに行っても忙しいらしい。

私の言葉にショウはムンクの叫びの格好をした。


「え、うそ。サッピーは知ってんの!? ランも? そんなこと一言も言ってなかったのに……さらにショックなんだけど!」

「ぷ。何で」

「アキとは超仲いいと思ってるし、好みはほとんど知ってるつもりだったのに。俺っ」

「それ、別に私じゃなくてもみんなと超仲いいと思ってるでしょ?」

「それとこれとは別だっての。俺、アキのこと超好きなのに! ま、みんな大切な仲間なのは間違いないけどなっ」


いひひと嬉しそうに笑うショウに、私もつられて笑った。

こういう誰に対しても隔たりのないところもショウのいいところで、たくさんの人から好かれる所以だ。

その光景を見るたびに、人として憧れるし見習わないといけないなと思う。

それに加えて、まさか。憧れのイラストを描く人だなんて。

 
< 190 / 299 >

この作品をシェア

pagetop