こっち向いて、早瀬先生。
「っ!?」
せ、先生っ!?
「………うーん…熱はない」
考え込むような仕草で
先生は言った。
「ちょっとゆうちゃん!あたしヤキモチ妬くよ?」
綾花は頬をむーっと膨らませて
不機嫌そうな表情だ。
「あははっ、ただ熱があるか
見ただけだろ?やましい気持ちなんて
ないから、安心しろって」
先生は優しい眼差しで綾花を見つめ、
指を綾花の髪の毛に絡ませて
そっと頭を撫でた。
その仕草に綾花は顔を真っ赤にして
うつむく。
もやもやとした灰色い
モヤがわたしの胸の中を覆う。
だめだ…見ていられない。