溺愛トレード
遠くから波の音、それからプールの水が流れる音しか聞こえない。
日陰は風が涼しい。
実乃璃と島に来たときは、何をしていたんだっけ?
ああ、そうだ。
最初に来た時は、できもしないテニスに付き合わされて、海辺で涼んでから、サイクリングをして、実乃璃のお父様が建てた意味不明な記念碑にお花をお供えしたりして遊んだ。
それから、夜は別荘の明かりを求めてやってくる虫を捕まえたんだ。
実乃璃がおどおどしながら虫かごを持っていてくれて、私が素手で蝶を捕まえて、その中に入れる。紫色の珍しい蝶を捕まえたっけ…………
実乃璃はすごく喜んで、島から帰る時もその蝶を連れて帰るって言ったんだ。
『でも、お花がないと死んじゃうよ』
『お花なんて、お父様がいくらでも買ってくれるもん』